推し活の始まり

シュガーダディで出会ったゆいちゃんとは、もう10ヶ月。月に2回のデートは僕たちの小さなルーチンになっている。彼女が大学3年生から4年生になる間、僕たちの時間はラブラブであり続けた。だが、最近の彼女からのLINEは、いつもと少し違った。

ゆいちゃんは、雑誌のオーディションに挑戦すると言い出した。女優志望の彼女は以前もオーディションに挑んでいたが、まさかまた参加するとは思っていなかった。そして、彼女からの「応援に来て欲しい」というリクエスト。僕としては少し、いや、かなり複雑な心境だった。

オーディションの詳細をチェックし、「すごいね、行くよ」とは返したものの、内心は少し渋々。撮影会は1コマ60分で、全6コマ。1コマ4000円、チェキ撮影は1枚2000円。払ったお金それぞれがポイントなり、順位が決まる。オーディションという名のビジネスモデルに、どこか違和感を覚えつつも、彼女の応援に行くことに。

撮影会は13時から21時までの長丁場。参加費も決して安くはない。僕はカメラオヤジたちと共に、熱心に撮影するわけでもなく、彼女の姿を見守る。彼女の笑顔は変わらず輝いていたが、僕の心は少し重かった。

彼女の夢を応援することは大切だと思うが、この推し活に本当に僕は合っているのだろうか。彼女のためならとは思いつつ、僕自身の感情との間で葛藤している。愛情表現の一つとして応援するが、どこか自分自身を見失わないように気をつけたい。こんな日もあるのだと、電車の中でぼんやりと考えるのだった。